
ボクは心理術なんかに操られたりしないけど、他人を簡単に操れるなら読んでみたいな!
この記事ではメンタリストのDaiGoさんが書かれた「限りなく黒に近いグレーな心理術」の要約・書評をしつつ、上記のような疑問を解決します。
本記事・本書はこんな人におすすめ
- 心理術で他人を操りたい人
- 心理術で騙されたくない人
- 自分は心理術なんかに操られないと思っている人
特に読んで欲しい人は「自分は心理術なんかに操られないと思っている人」です。
実際、ボクもこの本を読む前は、心理術に影響なんて受けてないし、いつだって選択は自分の意思でしてきたと思い込んでいました。
しかし、本書から、ボクも今まで心理術の影響をかなり受けていろいろな選択をしてきたことを思い知らされます。
この本は、誰もが体験したことのある下記のような12個のショートストーリー構成となっているのも特徴的です。
- 久しぶりの新車購入編
- 人気のマネーセミナー編
- マスコミの情報操作編
- 夫婦のすれ違い編…などなど
これらのショートストーリーには心理術が数多く盛り込まれており、読んでいくと「あ、これ言われたことある!心理術だったのか〜」みたいな気付きがたくさんあります。
正直、この本に書いてある全ての心理術を実際に自分で使いこなし、人を操ったりするには相当な努力と時間が必要です。
しかし、日常生活において自分の意思で決定したつもりでも、実は心理術の影響を受けて決定していたと気づくことは容易にできるようになります。
この記事では、本書で紹介されている多くの心理術の中からボクが実際の日常生活において明日から使えると感じた7つを厳選して紹介します。

Contents
明日から使える心理術7選
それでは早速、ボクが選ぶ「明日から使える心理術7選」を紹介していきます。
明日から使える心理術7選
- ゴルディロックス効果
- リスクリバーサル
- ハロー効果
- ウィンザー効果
- サンクコスト効果
- 保有効果
- すっぱい葡萄(ぶどう)
それぞ詳しく解説していきます。
ゴルディロックス効果
ゴルディロックス効果とは、あなたが購入しようとしてる商品の選択肢が3つになると、その商品の本質的な価値を考える前に中間の価格の商品に強く惹きつけられてしまう購買心理の法則です。
例えばあなたが入った居酒屋や飲食店で下記のようなコースメニューがあったらどうでしょう?
- Aコース:12,000円
- Bコース:8,000円
- Cコース:6,000円
おそらく、なんとなくBコースで良いかな?と考えてしまうはずです。
人は極端な選択を回避しようとして、一番高価なAコースと一番安価なCコースを選択することを避け、Bコースを選ぶ傾向があるんです
ちなみにですが、3つの商品を順番に紹介する場合には、高い商品→安い商品→中間の価格の商品の順に紹介すると更に中間の価格の商品を買いやすくなります。
そして3つの商品の価格はA:B:C=6:4:3の割合で設定するとより効果的です。
ゴルディロックス効果で人を操る方法
- 売りたい商品がある場合には、それより高い商品と安い商品を選択肢として加え3つを紹介する
- 紹介する順番は高い商品→安い商品→売りたい商品
- 高い商品:売りたい商品:安い商品の価格割合は6:4:3を意識
ゴルディロックス効果の対処法
まず選択肢が3つ出てきたら心理術で自分には中間の商品を購入する傾向が強く働いていることをしっかりと認識しましょう。その上で自分が本質的に求めている商品はどれなのかを考えて購入を検討するのがおすすめです。
リスクリバーサル
リスクリバーサルとは、顧客が商品を購入するときに感じる迷いや不安、リスクなどを売る側が代わりに引き受けることで顧客にとって購入しやすい環境をつくるテクニックです。
具体的には
- 返金保証
- 無償交換
- 初月無料
などです。
こういった条件を付けると、購入する側の「購入して失敗したらどうしよう」といった不安が取り除かれ、結果的に購入のハードルを下げることができます。
リスクリバーサルで人を操る方法
- 購入者が購入することにどんな不安を抱えているかを考える
- 不安を取り除く条件を提示して購入者の購入ハードルを下げる
- ゴルディロックス効果と組み合わせて使うと更に効果大
リスクリバーサルの対処法
返金保証などが提示されたら、自分の商品に対する購入ハードルが心理術によって低下している状況だということを認識しましょう。返金保証などがなくてもその商品やサービスがあなたにとって必要なものかを冷静になって考えてみましょう。
ハロー効果
ハロー効果とは、人は相手の目立った特徴に引っ張られて好印象を抱いてしまうという心理効果です。
例えば
- メガネをかけている→知的な人
- 一流の大学を卒業→人格も一流
- ブランドを着こなす→お金持ち
のような感じです。
一流大学を出ているという特徴に引っ張られて、あたかも人格まで一流ですごい人のような好印象を抱いてしまいます。
実際には一流大学=人格者とは限りませんし、ブランド物を身につけている=お金持ちでもありません。
投資詐欺や不動産詐欺の悪人が、ハイブランドの時計を身に付けていたり、SNS上に高級外車をアップしていたりするのは完全にこのハロー効果を狙ったものです。
ハロー効果で人を操る方法
- 相手が自分のどんな特徴に着目しているのかを考える
- 相手が着目している特徴を利用して相手に好印象を与える
ハロー効果の対処法
相手の最も目立つ特徴がなんなのか自分の中で整理しましょう。その特徴からあなたが相手に抱いている印象はハロー効果によるものである可能性が高いので、本当にその印象が根拠のあるものなのかを改めて考えてみましょう。
ウィンザー効果
ウィンザー効果とは、人は本人や当人から直接聞いた情報より、第三者を介した「聞いた話」として知る方が信憑性を感じやすいという心理効果です。
ウインザー効果は、マーケティングの世界で言う「クチコミ効果」と同じです。
ではなぜボクたちは第三者からの情報に信憑性を感じてしまうのでしょうか?
それは、第三者を介した情報には想像の余地があるからです。
クチコミで話題となっている店があればボクたちはその理由を想像してしまいます。
- このお店が話題になっているのには素晴らしい理由があるはずだ
- クチコミで美味しいと書いてあるけど、どれくらい美味しいんだろう?
こんな感じで第三者からの情報を自分の中で良い方向に解釈して、どんどん期待値を上げていくんです。
ウィンザー効果で人を操る方法
- クチコミや第三者の評価・感想を積極的に購入者へ届ける
- 有名人など、権威性のある人のクチコミ・評価は更に強力
ウィンザー効果の対処法
商品を購入するときはクチコミを鵜呑みにしない。クチコミに書いてある良い情報はウィンザー効果によって、自分に購入を強く促す力が働いていることを認識しましょう。
サンクコスト効果
サンクコスト効果とは、すでに投じてしまった資金や時間へのこだわりが強くなり、仮に損失が膨らんでも損切りに踏み出せないという心理効果です。
このサンクコスト効果は非常に危険で、人の正常な判断力を著しく低下させます。
- 投資詐欺
- ソーシャルゲーム課金
- 成功に繋がらない努力
これらは全てサンクコスト効果によって、泥沼にハマっていく可能性が高いです。
投資詐欺は、これだけ資金を入れたんだからもう後に引けないという強い心理効果が働き、更に資金を追加してしまいます。
ソーシャルゲームも典型的な例で、今まで自分がかけてきた時間と課金した金額が多ければ多いほど、こだわりは強くなり辞められなくなります。
また成功することが難しいとわかっていることでも、今ここで諦めたら今までの時間が無駄になってしまうと思い、結果無駄な努力をし続けることにもなりかねません。
サンクコスト効果の対処法
過去に費やした資金や時間はもう終わったものと考えて、冷静に現状を理解しましょう。サンクトス効果に左右されず、今この瞬間からどうすれば最善かを考え行動しましょう。
保有効果
保有効果とは、現在自分が所有するものに高い価値を感じ、それを手放すことに強い抵抗を感じてしまう心理効果です。
人は何かを一度手に入れると、それを手放して失うことを恐れるようになってしまいます。
例えば
- VODの30日間無料体験
- 初回限定のお試し価格
- 新車購入検討時の試乗
これらには少なからず保有効果が使われています。
VODサービスの30日間無料体験はその典型で、無料でサービスを利用すると、そのサービスが使えなくなることを恐れ、結局無料期間が終わっても使い続けてしまいます。
新車購入時の試乗もそうです。
試乗することによって、まだ買ってもいないのに自分のものであるかのような錯覚におちいります。
すると、もう手放したくないという保有効果によって、購入を決定してしまうのです。
保有効果で人を操る方法
- 無料体験などで一度相手に売りたいものを保有させる
- リスクリバーサルにもなり、購入ハードルが低下する
保有効果の対処法
無料体験などのあるサービスを利用する際には、利用する前に明確にこのようなメリットが感じられたら使用を継続するといった条件を決めておきましょう。自分にとって本当に必要なものかどうかを冷静に判断することが大切です。
すっぱい葡萄(ブドウ)
すっぱい葡萄とは、憧れていたものの価値を下げることで、自分が傷つかないように対処する心理です。
本当は葡萄を手に入れたいけど、取りに行く決心や勇気がないから「あの葡萄は取ってもすっぱいから自分には必要ない」と葡萄の価値を下げて取りに行かない言い訳をしています。
自分が手に入れられなかったものに対して「どうせ大した価値はない」と考えることで、自分の感じる敗北感などを紛らわせる心理メカニズムということです。
すっぱい葡萄の対処法
勝手にものごとの価値を自分の中で下げて挑戦することを辞めるのはもったいないです。あなたが新しい挑戦をしようとしている時に、批判されたらチャンスです。周りはあなたが手に入れようと思っているものを「すっぱい葡萄」だと決めつけて批判してくるので、無視してオッケーです。
まとめ
冒頭でもお伝えしたとおり、心理術で人を操るのには相当な努力と時間が必要です。
しかし、心理術を知っているだけで、あなたの今後の選択は大きく変わってきます。
心理術を知ることで、心理術の影響を受けているということを認識した上で選択ができるようになります。
自分は「今、心理術的にこれを選びたくなっているんだな〜。本当に必要な物はどれかな〜」みたいな感じです。
あなたもこの機会に心理術をマスターして、本当の意味でのあなたらしい選択ができるようになってみてはどうでしょう?
ちなみにこの本は「限りなく黒に近いグレー」と表現していますが、個人的には完全にブラックだと感じました。笑